ふでれぽ

図書館で借りた小説の感想を中心に、徒然なるままに。オススメ度は★5つで評価。参考になれば幸いです。
休日に乗るロードバイクでの出来事も、綴っていきます。

みかづき(森 絵都)

予約してやっと読むことができた。

主人公の大島吾郎は、運命を共にしていく女性との出会いから、用務員室での補習、私塾の開設へと変化し、塾の大規模化とともにズレていく心と自分の心の変化の結果、塾から飛び出してしまう。
でも、そこには出会った女性たちの暖かな思いがあり、それぞれの娘たちの、それぞれの人生に、決してしばることなく、応援する吾郎。
一番のもりあがりは、血縁はないか孫の一郎が、自ら決して近付こうとしなかった「教育」へ、あるきっかけを通じて携わることとなる新月の編。一郎は悩む。教育と何か。自分は何ができるのか。何をしたいのか。
決して満ちることはないが、満ちることを追い求めて、欠けているものを満たすよう望んて進むことこそが教育ではないかとの吾郎の言葉が胸にささる。
最後に一郎がが連れてきた結婚をしたいと思っている同僚の女性に、亡き妻の面影を見て喜ぶ風景が、とってもよかった。


オススメ度
★★★★★


2017(H29)年度、一番の読後の爽快感。出会えてよかった。



チェーン・ピープル(三崎亜記)

新聞の書評を読んで、図書館で借りた。

どのストーリーも独特の軌跡であり、印象深かった。なかでも秀逸だったのは、最後の「応援-「頑張れ」の呪縛-」。スターだった男が善意という悪魔から逃れられず、最後は内勤のサラリーマンとなっていく。不条理であるが、どうにもあらがえない。こんなことは現実にはないと思いながら、どこかで切り離すことができないような話だった。


オススメ度
★★★☆☆


独特な読後感がいわゆる三崎ワールドなのだろう。好みが分かれるところだが、ボクは好きかな。